未経験からエンジニアへの転職は、給与面や働き方、将来性など、多くの人にとって魅力的な道の一つです。
しかし、エンジニアへの転職ルートは複数あり、IT業界の知識がないとどの転職ルートを選ぶべきか迷ってしまいますよね。
この記事では未経験からエンジニアになるための6つのルートと、それぞれのルートのメリット・デメリットについて解説します。
Table of Contents
未経験からエンジニアになるための6つのルート
未経験からエンジニアになるためのルートにはこのようなものがあります。
- 自社開発企業に転職する
- SIer・受託開発企業に転職する
- ITスクールに通う
- SES企業に転職する
- 登録型派遣会社に登録する
- 常用型派遣会社に就職する
早速順番にメリット・デメリットについてみていきましょう。
未経験からエンジニアになるためのルート①
自社開発企業に転職する
自社開発企業に未経験から転職するメリット・デメリット

自社開発企業は、その名の通り自社でサービスを開発・運営している企業です。
ユーザー(実際にサービスを使用する人)との距離が近いため、満足度や売り上げに貢献している実感を得やすいことが多いです。
しかし、自社開発企業では、即戦力を求められることがほとんど。未経験からのエンジニア転職でこのルートを目指す場合、転職前に自己学習で必要な知識やスキルを身につけなければいけません。
中にはエンジニア経験が浅い転職者のために研修体制を整えている企業もありますが、そのような企業は人気で、入社難易度も高いです。
可能性はゼロではありませんが、未経験者にとっては狭き門であることを念頭に、転職活動を行いましょう。
メリット
- エンジニアとして製品の開発に深く関わることができる
- ユーザーの満足度や売り上げに貢献している実感を得やすい
デメリット
- エンジニアとして即戦力を求められることが多い
- 未経験から転職するには、入社難易度が高め
未経験からエンジニアになるためのルート②
SIer・受託開発企業に転職する
SIer・受託開発企業に未経験から転職するメリット・デメリット

SIerや受託開発企業では、自社の製品ではなく、クライアントの要望に応じたシステムやアプリケーションを開発します。受託してシステムを開発し、納品するというのが仕事の流れです。
クライアントの状況によっては納期が厳しく、残業を避けられないケースもあります。ただ、外から様々な仕事を受託するため、自社開発企業と比べると業務の幅を広げやすい環境であることが多いです。
こちらも自社開発企業同様、即戦力を求められる傾向にあるため、転職を目指す場合は事前の自己学習で必要な知識やスキルを身につけることが必須です。
メリット
- エンジニアとして多種多様なプロジェクトに関わることができるため、 幅広い業務経験を積みやすい
デメリット
- プロジェクトによって要求されるスキルレベルに差がある
- 時には厳しい納期が求められることもある
- 即戦力が求められる傾向があり、未経験からの転職にはハードルが高い
未経験からエンジニアになるためのルート③
ITスクールに通って転職する
ITスクールを活用して未経験から転職するメリット・デメリット

ITスクールは、エンジニアとして働くために必要なスキルを短期間で集中的に学ぶことができる場所です。
期間は3カ月、半年、1年…など様々で、働きながら通えるスクールも数多くあります。
未経験からエンジニアに転職をするためには、知識とスキルを身に着けることが必須です。転職先を探す前にスクールを活用して、働きながら効率的に必要な知識やスキルを得られれば、結果的に転職への近道になることも多いです。
とはいえ、座学と実務には違いがあることは確かです。転職を成功させて、エンジニアとして即戦力で活躍するためにも、なるべく実践に近い形式で学べるスクールを選ぶのがおすすめです。
ITスクールには入試がない場合が多く、費用を払って手続きをすれば通えることがほとんど。
転職の場合、選考が通らないと始まりませんが、まずはスクールで勉強してみるというのも一つの方法です。
費用については「教育訓練給付金制度」というものが活用できる場合もあります。自分が対象になるかどうか調べてみてください。
メリット
- 自己学習よりも効率的にエンジニア転職に必要な技術・知識を習得できる
- 転職前に働きながら学ぶことができる
- 入試がない場合が多く、入学ハードルが低い
デメリット
- 受講のための費用がかかる
- 知識は身についても、実践的な経験が不足する可能性がある
未経験からエンジニアになるためのルート④
SES企業に転職する
SES企業に未経験から転職するメリット・デメリット

SES企業は、他の企業にエンジニアなどの技術者を派遣する企業のことです。派遣先は多岐にわたるため、様々な現場を経験することで、エンジニアとして幅広い視野を磨くことができます。
そのため、「未経験でエンジニアになりたいけれども、どういう仕事があるかわからない。まずは経験を積んで、どういうエンジニアを目指すか考えたい。」という方には向いています。
逆に言うと、派遣先の現場が変われば業務環境が変わり、使用する技術も変わります。その都度キャッチアップが必要なことは覚悟しておくべきでしょう。
また、入社後に研修期間がある企業も多いので、自社開発企業やSIer・受託開発企業に比べると未経験からでもエンジニア転職しやすい傾向にあります。
メリット
- 派遣先の様々な企業やプロジェクトで働くことができるため、エンジニアとして幅広い視野を磨くことができる
- 未経験からの転職者向けに、研修がある企業が多い
- 比較的未経験者でも転職しやすい
デメリット
- 関わるプロジェクトやチームが頻繁に変わるため、その都度キャッチアップが必要
- 企業数が多く、どこに行くべきか見極めが不可欠
※SES企業に転職する前に絶対に注意すべきこと
研修内容・待遇面・派遣先での業務内容などについてしっかりと調べて、見極めることが非常に大切です。

「未経験 エンジニア 転職」と検索して出てくるSES企業の中には、
- 講師が不在で、研修はテキストや動画の自主学習のみ
- 研修でITと全く関係のないことばかりやらされる
- 研修期間に営業活動やテレアポをさせられる
といった企業も存在しています。
転職してから後悔しないためにも入社前に詳しく調べて、転職先の企業を絞り込みましょう。
未経験からエンジニアになるためのルート⑤
登録型派遣会社に登録する
登録型派遣会社に未経験から転職するメリット・デメリット

登録型派遣会社に登録してエンジニアになるルートを選ぶ場合は、フリーランスに近い働き方になります。派遣会社に登録後、その会社が持つ案件から仕事を選んで応募したり、紹介される案件を引き受けたりする形で働きます。
自由度が高い分、収入は不安定になりがちです。安定を求める場合は向いていません。また、未経験者のための研修制度は充実していない場合が多いです。
メリット
- 週3日勤務やフルリモートなど、自由度が高く、色々な働き方を選べる
- スキルをそこまで求められない業務で、広くIT業界の経験を積むことはできる
デメリット
- 安定して仕事を得られないことがあり、収入が不安定になりがちる
- 研修制度が充実していない場合が多い
- 未経験の場合エンジニアとしてのスキル要件を満たせず、希望の案件に従事できない可能性が高い
登録型派遣会社のおすすめ活用方法:IT業界への第一歩に
登録型派遣会社には、エンジニアの技術が不要な案件への募集もあります。
未経験でいきなりエンジニアとしての技術・知識が要求される案件をやり遂げるのは容易ではありません。まずはサポート業務などのIT関連業務に従事して、IT業界での経験を積みながらエンジニアの勉強をするという道を選ぶのも良いでしょう。
未経験からエンジニアになるためのルート⑥
常用型派遣会社に転職する
常用型派遣会社に未経験から転職するメリット・デメリット

常用型派遣会社は登録型と違い、正社員としてその派遣会社に入社します。そして、その派遣会社の社員として、客先常駐する形で働きます。
SES企業同様、派遣先の様々な企業やプロジェクトで働くことができるため、エンジニアとして幅広い視野を磨くことができる一方、現場ごとのキャッチアップは必須です。
派遣先によっては未経験でも自社開発企業で働くことが可能で、立場は派遣でも同じチームの一員として働けることがSES企業との大きな違いです。
(※SES企業との違いについては今後別の記事で詳しく解説します。)
未経験からいきなりエンジニアとして転職することが難しい企業でも派遣として出向き、経験を積める可能性があることは常用型派遣会社の大きなメリットです。
このような会社では、正社員として社員に長く活躍してもらうために研修制度が整っている場合が多いです。研修中も給与が満額支給される会社もあるため、費用面ではスクールより優れています。
もちろん研修内容は企業によって異なるため、見極めが必要です。
メリット
- 未経験者のための研修が充実している会社が多い
- 給与をもらいながら研修を受けられる
- 様々な企業やプロジェクトで働くことができるため、エンジニアとして幅広い視野を磨くことができる
- 未経験からいきなり転職することが難しい企業でも、チームの一員として働くことができる
デメリット
- 研修の質は会社ごとの異なるため、見極めが必要
- 関わるプロジェクトやチームが頻繁に変わるため、その都度キャッチアップが必要
さいごに
以上、未経験からエンジニアになる転職ルート6選と、ルートごとのメリット・デメリットを詳しく解説しました。
未経験からエンジニアを目指すには、自分に合ったルートを見つけることが重要です。各ルートのメリットとデメリットを理解して、自分のキャリア、ライフスタイルに合わせて選択してみてください。
エンジニアという職業は、どのルートを選んで転職したとしても、学び続ける姿勢がキャリアアップへの鍵です。
この記事が、あなたが未経験からエンジニアとして転職する際の選択に役立つことを願っています。
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