Webエンジニアとは、Webサイトやアプリケーションの設計、開発、運用・保守などを行うエンジニアを指します。
近年、Webサービス・Webメディア・アプリケーションなどの発展に伴い、Webエンジニアの需要は高まっています。しかし、自社開発企業・SIerに勤務しているエンジニア採用担当者への調査によると、約6割以上が採用目標に届かなかったと回答しており、エンジニア自体の採用が難しいのが現状です。また、約9割の担当者が採用時にミスマッチを感じていることがわかっています。
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【自社開発企業・SIer勤務のITエンジニア採用担当者に聞く採用の実態】6割以上の方が採用目標未達
Webエンジニアの主な仕事内容や種類、必要なスキルや資格、向いている人のポイントを理解しておくことは、十分なスキルを持った優秀なWebエンジニアを求める採用担当者にとっても重要といえるでしょう。
【目次】
Webエンジニアとは?その職種と特徴を紹介
Webエンジニアは、具体的にどんな業務を中心とした専門職なのでしょうか。ここでは、Webエンジニアの役割について、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの違いなどもふまえて解説します。
Webエンジニアの概要
Webエンジニアとは、WebサイトやECサイト、アプリケーションなどのインターネット上で使用されるコンテンツやサービスを開発する職種を指します。業務の範囲は非常に広く、設計や開発だけでなく、システムの運用・保守といったあらゆるプロセスを担当することが挙げられます。そのため、プログラミング言語の知識や、デザイン、データベースの構築に関するスキルが要求されます。さらに、クラウド技術やセキュリティに関する知識も現代のWebエンジニアには欠かせない要素です。すでに日常生活に深く浸透しているウェブサービスは、多くのエンジニアの努力と専門スキルによって支えられています。
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの違い
Webエンジニアは、主にフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの2つのタイプに分かれます。
フロントエンドエンジニアは、ウェブページの見た目や操作性を構築する役割を担っています。これは、ユーザーが直接触れる部分であり、HTML、CSS、JavaScriptなどを活用して、魅力的で直感的なインターフェースを設計・開発します。このため、フロントエンドの仕事では、デザインやUI/UX(ユーザーエクスペリエンス)の考慮が重要となり、クリエイティブなスキルが求められる点が特徴です。
一方で、バックエンドエンジニアは、システムやサービスの裏側に存在する技術的な仕組みを担当します。具体的には、サーバー環境の構築やデータベースの管理、情報処理といった業務を行い、フロントエンドと連携して効率的かつ安全にシステムが動作するように支えます。バックエンドは、直接ユーザーの目には触れませんが、高度なプログラミングスキルと論理的思考力が不可欠な領域です。
フルスタックエンジニアとは?
フルスタックエンジニアは、フロントエンドとバックエンドの両方の技術を持ち合わせているエンジニアです。この役割は、完全な製品開発を支援できるため、特に少人数のチームやスタートアップ企業での需要が高いとされています。多様な技術に精通しているため、プロジェクト全体のフローを把握しやすく、効率的なコミュニケーションを図ることが可能です。スキルの幅広さが求められますが、それによりプロジェクトに大きく貢献できるため、有用な存在とされるでしょう。
SE(システムエンジニア)との違い
WebエンジニアとSE(システムエンジニア)は、同じ技術的背景を持ちながらも、その役割には明確な違いがあります。SEは、ソフトウェアやハードウェアの開発、システムの統合を行い、要件定義や設計などシステム全体の工程を担当します。これに対し、Webエンジニアは主にWebサイトやアプリケーションの開発に特化し、フロントエンドやバックエンドの技術を駆使してサービスを構築します。このように、システムエンジニアは全体的なシステムの設計や運用に重点を置く一方で、Webエンジニアはより特化したWeb環境における開発を行います。
Webエンジニアの仕事内容
Webエンジニアの仕事内容は非常に多岐にわたり、プロジェクトの各段階で異なる役割を果たします。特に、規模の大きいプロジェクトでは、それぞれの工程で専門的な知識やスキルが求められることが多いため、チームでの協力やコミュニケーションが不可欠です。最初の段階では、クライアントやチームメンバーとの意思疎通を通じて、具体的な要件を明確にし、開発の方向性を定めることが求められます。また、Webエンジニアの仕事内容には、設計やプログラミングだけでなく、エラーやバグの修正、運用開始後の保守管理も含まれます。これらを通じて、利用者が求める快適なWebサービスを提供することが可能となります。
Webエンジニアの仕事内容①要件定義
要件定義では、クライアントのニーズや期待を具体的に理解し、どのような機能を実現するかを検討します。このプロセスを通じて、Webサイトやアプリ、その他のWebアプリケーションの開発に必要な具体的な要求を洗い出します。チーム全体がプロジェクトの目標を共有することで、設計やテストの作業において役割と目的が明確になります。また、販売戦略やサイト構築の全体像をプロジェクト開始前に具体的に整理する役割も果たすため、テストを含めた後続工程においても効率が高まります。
Webエンジニアの仕事内容②設計
設計では、ユーザー視点を重視し、ユーザビリティやパフォーマンス、セキュリティといった重要な要素を含めた品質基準に基づいて行われます。併せて、データベース構造の設計やデータを安全に管理する仕組みも検討します。しっかりとドキュメント化しておくことで、誤解がなくなるとともに、チームの各メンバーが目指すべき目標に集中することができます。
また、この段階では、要件定義をもとにシステム全体のアーキテクチャや各モジュールの構成を慎重に考慮することが求められます。具体的には、データベースの設計や、フロントエンドとバックエンドのインターフェース設計がこのフェーズに含まれ、システム全体の効率性と拡張性を確保するための重要な基盤を築きます。
Webエンジニアの仕事内容③コーディング
コーディングは、実際にプログラムを書く工程です。フロントエンドエンジニアはHTML、CSS、JavaScript、React、Vue.jsなどを用いてクライアントサイドの実装を行い、バックエンドエンジニアはJava、PHP、Ruby、Pythonなどのプログラミング言語でサーバーサイドの機能を構築します。この段階では、コードの品質や保守性、可読性も重要なポイントとなります。効率的に作業を進めるためには、開発フレームワークやライブラリを活用することが多いです。また、バージョン管理ツールを使って、チームでの協力がスムーズに行われることも重視されます。
Webエンジニアの仕事内容④テスト
テストは、開発した機能やシステムが期待通りに動作するかを確認するための工程です。ユニットテストや統合テスト、E2Eテストなど多様なテスト手法がありますが、基本的にWebエンジニアは、関数やメソッドがその機能を正しく果たしているか検証する単体テストを担当します。信頼性や安定性を確保するためには、テストによる不具合の発見と修正(デバック)が欠かせません。また、テスト自動化を導入することで、効率的な開発環境を整える企業も増えてきています。質の高い製品を提供するためには、継続的なテストと改善が求められます。
Webエンジニアの仕事内容⑤運用・保守
システムテストが終了した後、実際のWebサーバーに展開し、リリース通知を行います。その後の運用・保守では、システムの状況を常に監視し、定期的なバックアップを実施します。また、パフォーマンスを最適化し、セキュリティの脆弱性チェックも欠かせません。さらに、システムのログを収集・分析して、問題原因を特定し、エラー発生を未然に防ぐことが重要です。
Webエンジニアに必要なスキルや資格
Webエンジニアとして成功するためには、必要な資格やスキルが多岐にわたります。特に技術の進化が極めて速い分野であるため、新しい知識や技術を習得するための継続的な勉強が重要です。
プログラミングやデータベースの基礎知識
ウェブエンジニアとして活躍するためには、プログラミングの基礎知識が最も重要なスキルのひとつです。HTML、CSS、JavaScript、React、Vue.jsといったフロントエンド技術や、Java、PHP、Ruby、Pythonなどのバックエンド技術を習得することで、ウェブサイトやアプリケーションの開発・実装を行うことが可能になります。これらの技術は、ユーザーが利用するインターフェースや機能を実現するための核となる要素です。
また、データベースに関する基礎知識も欠かせません。MySQLやPostgreSQLなど、関係データベースを適切に扱うことで、データの効率的な取得・保存・管理を実現できます。これにより、アプリケーションのパフォーマンスを最大化し、システム全体の信頼性を向上させることができます。プログラミングスキルとデータベースの知識を掛け合わせることで、幅広い問題解決能力が身につきます。ネットワークなどインフラ領域の知識があるのも望ましいです。
これらの基礎知識を習得するだけではなく、システム全体の構造を理解することも非常に重要です。トラブルが発生した場合の迅速な対応や、業務要件に応じた最適な設計を行えるようになるためには、開発全体を俯瞰する視点が求められます。このような包括的なスキルセットを備えたエンジニアは、プロジェクトにおいて高い価値を提供することができます。
取得すべき資格(国家資格・ベンダー資格など)
Webエンジニアとしてのキャリア形成において、取得すべき資格は多岐にわたります。国家資格としては「基本情報技術者」や「応用情報技術者」があり、これらはIT基礎知識の証明となります。
「Oracle Certified Java Programmer(Java SE 11 認定資格)」は、JavaのベンダーであるOracle社が提供する資格です。これは汎用性の高いJava SEのスキルを認定するもので、Bronze SE・Silver SE 11・Gold SE 11の3区分があります。バックエンドの開発に必要なJavaに関する知識・技術の習得を証明します。
また、Webクリエイター能力認定試験は、Webサイト制作に必要な能力を示す民間の認定試験です。この試験は「スタンダード」と「エキスパート」に分かれており、スタンダードは実務経験に基づく内容が中心です。エキスパートでは知識問題も出題されるため、フロントエンドエンジニアを目指す方にはこちらの資格の取得が推奨されます。
優秀なWebエンジニアの3つの特徴
需要が増加傾向であるWebエンジニアですが、現場で活躍するには、柔軟な思考と変化への適応力など不可欠な要素があります。ここでは、優秀なWebエンジニアの特徴を3つ紹介します。
好奇心が強く、自分から進んで技術の習得ができる
Webエンジニアの仕事は常に新しい技術やトレンドが生まれるため、好奇心の強さが必須です。新しいプログラミング言語やフレームワーク、開発手法を自発的に学ぶ姿勢が求められます。
自己学習を通じて新しいスキルを習得できる人は、競争が激しい業界で活躍する可能性が高くなります。また、好奇心を持つことで、問題解決にも積極的に取り組むことができ、成長の機会を多く得られます。技術に対する情熱が高い人ほど、良い結果を出しやすいといえるでしょう。
問題解決能力が高い
Web開発は常に課題や障壁を伴います。そのため、問題解決能力が高いことが必要不可欠です。クライアントからの要望やフィードバックに対して柔軟に対応し、迅速に解決策を見つけ出す能力が求められます。
技術的な問題のみならず、プロジェクトの進行に関する課題や、チーム内のコミュニケーションにおける不具合なども扱うことになります。これに対処できる力は、エンジニアにとって大きな強みとなり、チーム全体のパフォーマンス向上にも寄与します。
コミュニケーション能力が高く、チームワークが得意
Webエンジニアは、デザイナーやプロジェクトマネージャーと協力しながらプロジェクトを進める必要があります。そのため、コミュニケーション能力が高いことが非常に重要です。自分の考えをしっかりと伝えるだけでなく、他者の意見を尊重し、適切なフィードバックを行うスキルも必要です。
また、チームでの協力が求められるため、他のメンバーとの連携を円滑にし、共同作業を進めることが得意な人が多いと、作業効率が向上します。こうした能力を持つことで、質の高い成果を生むチーム作りに貢献できるでしょう。
Webエンジニアのやりがい
Webエンジニアは、技術的なスキルを活かしながら幅広い業界で活躍できる、非常にやりがいのある職種です。需要が急速に高まっている業界であるため、スキルアップに励むほどキャリアの可能性が広がり、成長を楽しむことが可能です。Webエンジニアとしての活動には、自分の仕事を形として残し、人々の生活を便利にすることへのやりがいを感じられる要素が多いのも特長です。
自分の発想を形にできる
Webエンジニアの仕事では、自分のアイデアや創造性を具体的な形にする機会が多いです。新しい機能の提案や、使いやすさを重視したデザインの考案など、自己の発想を活かすことで、企業のプロジェクトにおいて重要な役割を果たすことができます。特に、自らの優れたアイデアがプロダクトに反映され、それが実際にユーザーの役に立った瞬間は、大きな達成感を得られるでしょう。
さらに、プロジェクトチームとの協働を通じて、他のメンバーの多様な視点やスキルと融合することで、新たな価値を生み出せるのも魅力です。このプロセスを経る中で、自分自身のスキルや知識が大きく向上し、企業内での役割や影響力も拡大していきます。このようなクリエイティブなプロセスは、やりがいを持って業務に取り組む上で欠かせない要素です。
ユーザーの反応が見える
開発したプロダクトが実際にユーザーに使われ、その反応を見ることができるのは、Webエンジニアの大きな魅力です。ユーザーの評価やフィードバックは、次回の開発や改良の貴重な材料となります。
良い評価を受けた際には、自身の努力が直接的に評価されたことを実感できます。一方で、厳しい意見も受けることがあり、これを改善へとつなげる姿勢が求められます。ユーザーとの距離が近いことにより、常に自分の仕事が誰かの役に立っていることを実感できる場面が多く、やりがいをより強く感じることができます。
市場価値の高いスキルが得られる
Webエンジニアとしてのスキルは、技術の進化とともにニーズが高まっています。特に、プログラミングやデータベースに関する専門知識は、業界を問わず求められるため、将来性のあるキャリアパスが開けます。
新しい技術やトレンドに対応する動きは多く、常に学び続ける姿勢が重要です。その結果、エンジニアは長期的な安定を得ながら、競争力のある市場価値を保持することが可能です。こうしたスキルの獲得は、Webエンジニアとしてのキャリア形成を支え、さらなる成長の機会をもたらします。
Webエンジニアのキャリアパス
Webエンジニアのキャリアパスは非常に多様であり、個人の興味や目標によってさまざまな方向性を選択することが可能です。一般的に、入社後は基本的なプログラミングスキルやWEB開発の基礎知識を習得し、実務経験を積むことが重要なスタートポイントとなります。その過程で実務経験を積み重ねていくことで、さらに高度な業務や専門分野を扱う機会が増え、キャリアの選択肢が広がります。
技術スペシャリストへの道
特定のプログラミング言語やフレームワークの専門家として技術スキルを深め、スペシャリストとしてのキャリアを築く道があります。
技術スペシャリストになるには、プログラミングやシステム設計など特化した分野のスキルを深めることに重点が置かれます。この道を選ぶエンジニアは、特定のプログラミング言語やフレームワークに精通し、高度な技術力を発揮します。さらに、データベース管理やシステムセキュリティなどの専門スキルを持つことは、現代の企業において非常に重要です。また、クラウド技術の普及により、インフラエンジニアやDevOpsエンジニアとして活躍する道も広がっています。
技術を追求することは、個人としてのスキルアップにとどまらず、企業内での信頼を得る大きな要因となります。また、業界全体での地位向上にも繋がります。特に、最新の技術動向をキャッチアップし、それを効果的に活用するスペシャリストは、多様なプロジェクトにおいて欠かせない存在です。
プロジェクトマネージャーや企画職への道
プロジェクト全体を管理する能力を伸ばし、チームリーダーやプロジェクトマネージャーを目指すマネジメント志向のキャリアパスも選択肢のひとつです。
プロジェクトマネージャーや企画職を目指す場合、技術だけでなく、戦略的思考や高度なコミュニケーション能力が求められます。これらの職種は、プロジェクト全体の管理や進行を担う中心的な役割を果たし、チームを効果的にまとめるリーダーシップが必要です。
このキャリアパスを選択することで、マネジメントスキルをさらに磨き、より大規模なプロジェクトへの参画や、企業の方針策定に貢献する機会が広がります。また、技術的なバックグラウンドを持つことで、技術面の知識とビジネス戦略を組み合わせた実効性の高い施策を提案できる点も、この職務の大きな魅力といえます。
プロジェクトマネージャーとして成功するためには、専門知識だけでなく、適応力や問題解決能力も重要です。これらのスキルを活用し、プロジェクトの成功に大きく貢献できる職務であり、キャリアパスの中で大きなステップアップを目指す方にとって、非常にやりがいのある選択と言えるでしょう。
まとめ:WEBエンジニアの魅力
Webエンジニアは、Web系のサービス需要が高まっている現在のIT業界において、非常に重要な役割を担っています。アイデアを形にできるクリエイティブな側面があり、幅広い知識でシステムを支えるその貢献度の高さこそが、Webエンジニアという職業の大きな魅力です。
エンジニアの人材不足の昨今、優秀なWebエンジニアの需要は高まっており、採用担当者は応募者のスキルや特性を見極めて採用する必要があります。向いている人の特徴や資格の有無といった基準を参考に、自社に必要なスキルを持ったWebエンジニアを獲得していきましょう。
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