インフラエンジニアにとって、AWS(Amazon Web Services)は現代のITインフラに欠かせないプラットフォームです。クラウド化が進む今、AWSに関するスキルを持つことはエンジニア採用においても企業側・求職者側の双方にとって大きなアドバンテージになります。
本記事では、インフラエンジニアが主に扱うAWSサービスの種類、必要なスキルセット、取得すべき資格、そして実務で役立つ学習方法までを網羅的に解説します。IT企業の採用担当者にとっても、AWSスキルを持つインフラエンジニアの価値やキャリアパスを理解する上での参考になる内容です。
【目次】
なぜインフラエンジニアにAWSスキルが求められるのか
オンプレミスからクラウド環境への移行が加速する現在、インフラエンジニアはAWSのようなクラウドサービスに対応できるスキルが不可欠となっています。AWSは高い柔軟性と豊富な機能性を持ち、企業のIT基盤として広く活用されています。
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クラウド化の進展
従来の物理サーバー運用からクラウドへのシフトが進む中、AWSの利用によって構築・保守・運用の効率化が実現され、コスト最適化や迅速なシステム展開が可能になります。これに伴い、AWSの知識を有するインフラエンジニアは企業からの評価も高くなっています。
ビッグデータや先端技術の活用
AI・IoT・ビッグデータなどの技術の台頭により、大規模データ処理や高可用性が求められるケースが増えています。AWSはこれらの要件を満たすためのプラットフォームを提供しており、インフラエンジニアにとって習得すべき技術となっています。
AWSの圧倒的な市場シェア
AWSは世界のクラウドインフラ市場で32%のシェアを占めており、2024年第2四半期時点での市場規模(約790億ドル)の中でも突出した存在です(出典:Publickey)。2024年第2四半期のデータによれば、AWSは世界のクラウドインフラ市場で32%のシェアを占めています(Synergy Researchの調査結果 )。この市場全体の規模は790億ドルに達しており、その中でAWSが占める割合は非常に大きいと言えます。これにより、AWSの実務経験を持つインフラエンジニアは、どの業界でも重宝される存在となっています。
AWSとは何か
AWSはAmazonが提供するクラウドコンピューティングサービスで、サーバー、ストレージ、データベース、ネットワーク、セキュリティなど多様なサービスを提供しています。インフラエンジニアにとっては、これらのサービスを駆使して安定したインフラ環境を構築・運用するスキルが求められます。
代表的なAWSサービス
- EC2:仮想サーバーを構築・管理できるサービス。スケーラブルで柔軟なサーバー環境を実現。
- S3:静的ファイルやバックアップなどを保存できる高可用性ストレージ。
- RDS:MySQL、PostgreSQLなどを簡単に運用できるマネージド型データベース。
- VPC:仮想ネットワークの構築・制御ができるサービス。セキュリティやアクセス制御も可能。
- CloudWatch:リソースのモニタリングとログ管理を行うサービス。運用監視に必須。
- IAM:ユーザーや権限を細かく管理できるアクセス制御機能。セキュリティ強化に直結。
- Route 53:ドメイン名管理とDNSルーティングのためのサービス。
- Elastic Load Balancing (ELB):複数のサーバー間にトラフィックを自動分散し、可用性とスケーラビリティを確保。
これらのサービスは、実際の運用やシステム構築において不可欠な存在であり、インフラエンジニアには幅広い知識と運用経験が求められます。
AWSを扱うために必要なスキルと資格
技術スキル
ネットワーク、サーバー、データベースの基礎知識に加え、Linux環境の操作スキル、セキュリティポリシーの設計、各種ログの解析スキルも求められます。
また、IaC(Infrastructure as Code)を用いた構成管理(例:Terraform、AWS CloudFormation)、構成自動化ツール(例:Ansible、Chef)に関するスキルも実務では高く評価されます。さらに、CI/CDパイプラインや、Git、Jenkinsといった開発支援ツールへの理解もあると、DevOpsの現場で即戦力となります。
対人スキル
プロジェクトを円滑に進行するためには、チームとの連携やクライアントとの調整力も重要です。エンジニア採用では、こうしたビジネススキルを備えた人材が特に求められます。
推奨資格
- AWS Certified Cloud Practitioner:初心者向けにAWSの全体像を理解するのに最適。
- AWS Certified Solutions Architect – Associate:システム設計や要件定義を担当する中堅レベルの資格。
- AWS Certified SysOps Administrator – Associate:運用・監視業務に特化したスキルを証明。
- AWS Certified DevOps Engineer – Professional:CI/CDや自動化を前提とした高度なスキルが対象。
資格の取得により、業務に対する理解度が向上するだけでなく、社内外での信頼性やキャリアアップにも大きく寄与します。特にインフラエンジニアのキャリア初期には、Cloud Practitionerから始めて順に取得していくのが効果的です。
実務に活きる学習方法
eラーニング・オンライン教材の活用
Udemy、AWS公式トレーニング、YouTubeなどを通じて、効率よくAWSを学習することが可能です。学習進度を自分で調整できるため、現職のインフラエンジニアや未経験者にもおすすめです。
実案件を通じた経験
実際の業務でAWSを扱うことで、より深い理解が得られます。トラブル対応や運用改善の経験は、書籍では得られない実践力を養う機会となります。
特にクラウド移行プロジェクトや、新規サービスの立ち上げにおいては、設計から構築、運用までの全フェーズを経験することができ、非常に大きなスキルアップにつながります。こうした現場経験は、履歴書や面接でも大きなアピールポイントとなり、エンジニア採用において実務力を重視する企業からの評価も高まります。
また、開発チームやセキュリティ担当者との連携を通じて、チーム全体での問題解決能力や折衝力も自然と身につくため、将来的なリーダー候補としての成長にもつながります。
キャリアパスと今後の展望
AWSを習得したインフラエンジニアは、クラウドアーキテクト、DevOpsエンジニア、SRE(Site Reliability Engineer)など、さまざまなキャリアに展開可能です。
さらに、クラウドインフラの自動化やセキュリティ強化のニーズが高まっており、TerraformやAnsibleなどのツールを活用できるエンジニア、ゼロトラストやマルチクラウド環境の構築経験を持つエンジニアは、今後ますます重宝されるでしょう。
エンジニア採用においても、単なる技術者ではなく、組織横断でプロジェクトを推進できる人材が求められています。そのため、技術だけでなくマネジメントやアーキテクチャ設計、コミュニケーションスキルなどの総合力がキャリアの鍵になります。
クラウド技術の進化に合わせて学び続ける姿勢を持つことで、インフラエンジニアは社内外から信頼される存在へと成長し、将来的にはCTOやIT戦略部門のリーダーなど、経営視点を持ったキャリアへの展望も広がります。
まとめ
AWSは今後のITインフラの中核を担うサービスであり、インフラエンジニアがキャリアを伸ばすうえで欠かせない技術です。AWSに関する実務スキルや資格を備えることは、採用市場においても大きな武器になります。
IT企業の採用担当者にとっても、AWSスキルを持つインフラエンジニアの採用は、自社の技術力と競争力を高める戦略的な選択肢となるでしょう。
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